なぜ IKIMON は、生物多様性に取り組むのか

——それは、ビジネスじゃなくて「みんなの責任」だから

はっきり言います。生物多様性の取り組みは、ビジネスにはなりにくい。
収益に直結しないし、数字で評価しづらいし、理解されにくい。
だから多くの企業や団体が「やりたいけど、優先度は低い」と後回しにしています。

でも、それじゃ間に合わないんです。
生き物がどんどん減っていって、気づいたときには取り返しがつかないかもしれない。
これは未来の子どもたちのために、今の大人がちゃんと向き合わなきゃいけない問題です。

自然は、背景じゃない。生き物は、資源じゃない。

僕たちは、事業のために自然を「使う」んじゃない。
自然のなかで、生き物たちと一緒に生きている。
その当たり前の感覚を、いつの間にか忘れてしまっただけなんです。

農業も、漁業も、製薬も、建設だって、自然とその多様な生き物たちの“恩恵”がなければ、そもそも成り立たない。
つまり、生物多様性は“すべての経済活動の下地”です。
だから「守るべきもの」じゃなくて、「前提として扱うべきもの」なんです。

誰かがやるじゃなく、みんながやらなきゃいけない

自然は一社の努力では守れません。川の上流だけキレイにしても、下流は濁る。
森の一部を守っても、周りが崩れれば意味がない。

だから「誰かがやればいい」じゃなくて、「みんなでやらなきゃいけない」んです。
企業、行政、学校、研究者、市民、子どもたち。全員が当事者です。
そしてIKIMONは、「そのつなぎ役」を担いたいと思っています。

それでも僕たちがやる理由

以前、「ZUKAN」というプロジェクトをやっていました。
スマホで生き物を撮って、それが何かをみんなで調べて、データとして残していく。
子どもも大人も、研究者も素人も一緒に参加できる、そんな場所でした。

でも、マネタイズの壁にぶつかって、一度はプロジェクトをたたむ決断をしました。
正直、めちゃくちゃ悔しかったです。

関わってくれた仲間は、みんな生き物が大好きで、未来のために本気でした。
あの時の熱量を知っているからこそ、ここで終わらせたくなかった。
あの想いを、ちゃんと次に繋げたい。そう思って、もう一度立ち上げたのが IKIMON です。

生物多様性は、経済活動と対立しない

——むしろ「持続可能な価値」の根源になる

IKIMONは、生物多様性の可視化・同定・データ化・コミュニティ化を進めています。
これは研究者のためだけじゃありません。

企業の環境貢献を支え、地域の自然を守り、未来世代に残す手段になる。
だから「ビジネスにならない」と言われてもやる価値がある。
むしろ、ここにしかない価値があると信じています。

最後に——未来の誰かのために何かをしたいあなたへ

「自分に何ができるかわからない」——そう感じることは自然なことです。
でも、最初の一歩は“自然を観察すること”です。
見て、気づいて、名前を知って、好きになる。
たったそれだけのことが、未来を守る大きな一歩になります。

IKIMONは、その一歩を誰もが楽しく踏み出せるようにしたい。
そしてその先に、「みんなで自然を守る社会」を、みんなと一緒に築いていきたいと思っています。

IKIMON株式会社
代表取締役 八巻 毅