
「見えない生き物」を見る技術
これまでの生物調査は、「網で捕まえる」「目視で数える」といったアナログな手法が中心でした。 しかし、最新のテクノロジーがその限界を突破しつつあります。
その代表格が「環境DNA(eDNA)」技術です。
川や池の水、あるいは空気中には、そこに生息する生き物の粘液や糞などに由来するDNAが含まれています。 バケツ一杯の水や、フィルターを通した空気を分析するだけで、「そこにどんな魚がいたか」「どんな鳥が通ったか」が分かってしまうのです。 捕獲も観察も必要ない、革命的なモニタリング手法です。
ドローンとAIによる森林解析
空からも革命が起きています。 ライダー(LiDAR)やマルチスペクトルカメラを搭載したドローンが森の上空を飛び、樹木の種類や健康状態を3次元でマッピングします。
AIがその画像データを解析し、「植生の変化」や「違法伐採の兆候」を自動検知。 人が立ち入れないような奥地でも、精密な健康診断が可能になりました。
ブロックチェーンによる価値の証明
集められたデータは、ブロックチェーン技術によって「改ざん不可能な記録」として保存されます。 これにより、「この企業が確かに環境を保護した」という事実が証明され、信頼性の高い「自然クレジット」として取引できるようになります。
IKIMONの役割
最先端の科学技術(Tech)と、市民の目(Citizen Science)。 この2つを組み合わせるのがIKIMONプラットフォームです。
* 広域の簡易調査は「市民」がスマホで行う。 * 詳細な専門調査は「環境DNA」や「ドローン」で行う。 * AIが全てのデータを統合し、地域の生物多様性を可視化する。
テクノロジーは、自然を支配するためではなく、自然を深く理解し、共存するためにあるのです。
IKIMONが目指す未来
ドローンも、環境DNAも、AIも、それぞれは「道具」に過ぎません。 大切なのは、それを使って何を実現したいか。
IKIMONは、テクノロジーと市民の力を組み合わせて、 「誰もが自然の一員として参加できる社会」を作りたいと考えています。
近くの公園を歩く。見つけた生き物を撮る。それだけで十分。 私たちの小さな発見が、やがて大きなデータになり、地球を守る力になる。
技術は難しく見えるかもしれません。でも、使うのはきっと簡単です。 IKIMONが、その架け橋になれたら嬉しいです。