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経営者が知るべき「ネイチャーポジティブ」の衝撃

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Nature Positive Business

「脱炭素」の次は「自然再興」

過去10年、ビジネス界のキーワードは「脱炭素(カーボンニュートラル)」でした。 しかし今、それと同じか、それ以上のインパクトを持つ新しい波が来ています。 それがネイチャーポジティブ(Nature Positive / 自然再興)」です。

これは、生物多様性の損失を止め、「自然をプラスに転じさせる」という国際的な目標です。

なぜビジネスに関係あるのか?

「自然保護はCSR(企業の社会的責任)活動の一環でしょ?」 そう考えている経営者は、時代に取り残される可能性があります。 今や生物多様性は、経営リスクそのものであり、同時に巨大なビジネスチャンスだからです。

1. リスクとしての自然

* 物理的リスク:水不足で工場が稼働できない、花粉媒介者がいなくなって作物が育たない。 * 移行リスク:環境規制の強化、原材料の高騰、自然に配慮しない企業への融資停止。

2. チャンスとしての自然

世界経済フォーラム(WEF)は、ネイチャーポジティブへの移行が、年間10兆ドルのビジネスチャンスと3億9500万人の雇用を生み出すと試算しています。

* 持続可能な農業・食料システム * インフラの緑化 * エネルギーの効率化

TNFD:自然関連財務情報開示タスクフォース

この流れを決定づけたのがTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)です。 気候変動におけるTCFDの「自然版」と言えば分かりやすいでしょう。

TNFDは、企業に対して「自社の事業が自然にどれだけ依存し、どれだけ影響を与えているか」を開示することを求めます。 投資家は今後、この情報を見て投資先を決めるようになります。 つまり、「自然を守らない企業にはお金が集まらない」仕組みができるのです。

中小企業にできること

「大企業の話でしょ?」と思うかもしれません。しかし、サプライチェーン全体での対応が求められるため、中小企業も無関係ではありません。

まずは、足元からできることを始めましょう。

  1. 知る:自社の事業が自然にどう依存しているか考える。
  2. 測る:工場やオフィスの周りの自然環境をモニタリングする。
  3. 変える:調達先を見直す、緑化を進める。
IKIMONプラットフォームは、このうち「測る(モニタリング)」を、低コストかつ市民参加型で実現するツールです。 地域の自然を知ることは、企業が地域社会と共生するための第一歩です。

ネイチャーポジティブは、単なるコストではありません。 100年続く企業を作るための、生存戦略なのです。

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