
なぜ、人は自然に惹かれるのか?
都会の喧騒を離れ、森や海に行くと、心が落ち着く。 誰もが経験するこの感覚には、進化論的な理由があります。
これは「バイオフィリア仮説」と呼ばれる考え方で説明できます(詳しくは「バイオフィリア仮説」の記事で解説しています)。 人類の歴史の99.9%以上は自然環境の中で営まれてきたため、私たちは本能的に自然とのつながりを求めているのです。
森林浴の科学的効果
日本では古くから「森林浴」が親しまれてきましたが、その健康効果は科学的にも証明されています。
* ストレスホルモンの低下: 森林環境に身を置くと、ストレスホルモン(コルチゾール)の濃度が有意に低下します。 * 免疫力の向上: 木々が発散する「フィトンチッド」という物質が、人間のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させます。 * 注意回復理論(ART): 自然の中で過ごすことで、酷使した「志向性注意(一点に集中する力)」を休ませ、脳の疲労を回復させることができます。
「One Health」という考え方
今、医学や環境学の世界では「One Health(ワンヘルス)」という考え方が広がっています。 「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」は、すべてつながっているという考え方です。
環境が破壊され、生物多様性が失われると、未知の感染症が増えたり、メンタルヘルスが悪化したりします。 逆に、自然を守り、豊かにすることは、私たち自身の心と体の健康(ウェルビーイング)を守ることに直結するのです。
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