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世界が注目する「生物多様性国家・日本」

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Japan Biodiversity Hotspot

日本は「生物多様性のホットスポット」

意外に知られていませんが、日本は世界的に見て生物多様性が極めて豊かな国です。 環境省や国際機関は、日本を含む「日本列島」エリアを、世界で36箇所しかない「生物多様性ホットスポット」の一つに認定しています。

なぜ日本は特別なのか?

  1. 南北3,000kmの国土: 亜熱帯の沖縄から亜寒帯の北海道まで、多様な気候帯が存在
  2. 複雑な地形: 山地が国土の7割を占め、独立した生態系が無数に存在
  3. 島国という隔離: 大陸から離れているため、独自の進化を遂げた「固有種」が多い
  4. 四季の変化: 季節ごとに異なる生態系サービスが発現

驚くべき数字

  • 固有種率: 陸生哺乳類の約40%、両生類の約80%が日本にしかいない固有種
  • 植物: 約5,600種の維管束植物のうち、約30%が固有種
  • 昆虫: 推定30,000種以上(まだ未発見の種も多数)

世界からどう見られているか?

COP10(名古屋)のレガシー

2010年、日本は生物多様性条約の締約国会議(COP10)を名古屋で開催しました。 ここで採択された「愛知目標」は、10年以上にわたり世界の生物多様性政策を導いてきました。

日本は、この会議の開催国として、世界の生物多様性保全をリードする立場を宣言したのです。

SATOYAMAイニシアティブ

日本が世界に発信した概念の中で最も影響力があるのが「SATOYAMA(里山)」です。

「人と自然が共存する二次的自然環境」という考え方は、西洋の「手つかずの原生自然を守る」という発想とは異なり、「人が適度に関わることで豊かになる自然」という新しいパラダイムを世界に提示しました。

国連大学を通じて「SATOYAMAイニシアティブ」として国際的に展開され、途上国の農村開発にも応用されています。

日本のブランディング機会

観光:エコツーリズムの可能性

「クールジャパン」の次のフェーズとして、「自然体験」が注目されています。

  • 屋久島の原生林: 世界遺産としての知名度
  • 知床の野生動物: ヒグマ、オオワシなど
  • 沖縄のサンゴ礁: 世界有数のダイビングスポット
  • 里山の田園風景: 外国人に人気の「日本らしさ」
しかし、これらはまだ点として存在しており、「日本全体が生物多様性の宝庫である」というブランディングには至っていません。

ビジネス:ネイチャーポジティブ経済

TNFDGBFの文脈で、日本企業の「自然への取り組み」は世界から注目されています。

  • トヨタの「トヨタの森」(企業の里山保全)
  • 積水ハウスの「5本の樹」計画(住宅地の在来種植栽)
  • サントリーの「水と生きる」(水源涵養林の保全)
これらの先進事例を、国としてパッケージ化して発信する余地は大きいです。

課題:「知られていない」こと

日本人自身が知らない

最大の課題は、日本人自身が日本の生物多様性の価値を知らないことです。

  • 生物多様性ホットスポット」という認識がない
  • 身近な生き物の名前を知らない
  • 環境問題=海外の問題(アマゾン、サバンナ)と思いがち

データ不足

「日本の自然は素晴らしい」と言っても、それを証明するデータが不足しています。 専門家による調査だけでは、広大な国土をカバーしきれません。

IKIMONができること

IKIMONは、この「知られていない」課題を解決するプラットフォームです。

1. 日本人が日本の自然を再発見する

散歩中に見つけた虫、通勤途中に咲いていた花。 それに名前がつき、「実は珍しい種だった」と知る体験は、日本の自然への愛着を育みます。

2. 市民がデータを作る

専門家だけでは追いつかないデータの空白を、市民の力で埋める。 IKIMONのデータは、日本の生物多様性を世界に発信するための基礎資料になります。

3. 世界に発信できる品質

IKIMONはGBIF準拠の国際標準データ形式を採用。 集まったデータは、そのまま世界の研究者が参照できる状態になります。

日本全体を自然共生サイトに。 そして、日本を「生物多様性国家」として世界に発信する。
それが、IKIMONの描く未来です。

参考文献

  • Conservation International. Biodiversity Hotspots.
  • 環境省. 生物多様性国家戦略.
  • 国連大学. Satoyama Initiative.

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